2020年5月28日現在の状況ではマニラで10週間の都市閉鎖、セブで8週間の都市閉鎖が継続されています。
もちろん、一般人は日本からの渡航はできませんし、学校もすべて閉鎖されています。
フィリピン政府は国公立や私立を含む全ての学校に8月からオンラインクラスでの対応を求め、ワクチンが準備出来るまで通学は禁止と発表しています。
フィリピンの情報は安定性がありませんので現状と経験から考える結論を先にお伝えします。
残念ながら2020年にフィリピンへの留学はまず無理と言わざるを得ない状態ですね。
私の予想が外れることを祈りますが、2021年で考えても前半は相当厳しいと言えるでしょう。
その理由は・・・
●フィリピンのコロナは5月末時点でまったく収束していない
●世界中で入国規制、渡航制限、自己隔離が完全に解除されない限り予定が立たない
●語学学校や留学エージェントの経営継続が厳しく持ち逃げが発生することが考えられる
●コロナの影響で有名校の返金トラブルが発生しセブ留学全体の評判が落ちている
●ワクチンがなければフィリピンの医療体制が不安
フィリピン留学で仕事をしている留学エージェントとしては書くべきでは無いと思います。
しかし、騙してでも儲かれば良いという学校やエージェントが多すぎるために始めたエージェントですので、特に隠さずに書いていこうと思います。
それでは、今後のフィリピン留学がどうなるかや今回のコロナウィルスの影響で起こったフィリピン留学のトラブルについて個人的な見解を書いてみますのでご参考にどうぞ。
フィリピンのコロナは5月末時点で収束していない
フィリピンのコロナは2020年5月28日現在で全く収束に向かっていません。
わかりやすく図で見てみれば、日本の現状はこちらです。
日本でもピークには1日に800人近い感染者数を出していますが、そこをピークに収束に向かっていることが分かりますね。
もちろん、終息ではなく収束状態なので今後の第二波、第三波も考えられますが、ひとまず今後を考える状態になってきています。
しかし、フィリピンでは日本より断然厳しいロックダウンをマニラで10週間、セブで8週間しているにも関わらず全く収束しておらず膠着状態が続いています。
欧米に比べれば死亡者は少ないものの5月25日で1日に258人の新規感染者が出ていて、3月下旬から膠着状態が続いていることが一目瞭然ですね。
フィリピンは島の集まりなのでセブはほぼ収束しているというような意見もありますが、マニラが収束しない限り大丈夫だとは言えません。
日本では緊急事態宣言が解除されて新しい生活へ向かっている空気になっていますが、フィリピンを含め海外はまだまだ収束とは言えない状態です。
ちなみに、アジアで10万人の比率からコロナによる死亡率をチェックすると1位はフィリピンで2位は日本です。
ただ、日本は平均年齢20代半ばのフィリピンと比べると、圧倒的に高齢者が多いので高齢者比率で考えると相当頑張っていると言えますね。
ちなみにアメリカでも全く数は減っておらず収束の見込みはありません。
今後、2か月から3ヶ月以内に日本とフィリピンの渡航制限が緩和されたとしても、理由のあるビジネス関連だけになり「旅行の延長」である留学はまず無理と予想されます。
ワクチンが開発されるなど、多くの国で感染が収束しない限り「海外留学」は考えられない状態が続くのは間違い無いでしょうね。
フィリピン留学はコロナで倒産・閉校・売却が多発?
残念ながらすでにコロナの影響で倒産、閉校が決定している語学学校もあります。
さらに、M&Aのサイトを見てもいくつか売却希望の学校が出ているのが見受けられますね。
語学学校は教育機関という人もいますが、私が知る限りフィリピン留学の語学学校は英会話ビジネスです。
儲けが出ないビジネスでも熱意で運営を続けられるのは、事業が赤字でも趣味で続けられる資産家だけです。
コロナで閉校や学校売却して損失を回避するのは当然のことですね。
ネットでの批判には「フィリピンの学校なんて教育ではなく所詮金儲けだから信用できない」と学校を叩いている意見もあります。
しかし、語学学校は教育機関ではなくどこから見ても英会話ビジネスです。
留学生のため、現地の雇用創出のために身銭を切って、赤字を出してでも営業を続けるような学校のあり方を求める方が間違っているとも言えます。
現時点ではハッキリと閉校を通達している学校はまだ数校しかありません。
しかし、すでに倒産状態で継続はできないのにホームページなどはそのままの学校もあります。
なんの告知もなく閉めに掛かっている学校もありますし、今後数ヶ月でさらに増えるでしょう。
コロナ前から自転車操業状態なのにコロナの責任にして閉校状態の学校も普通にありますけどね。
今の所は7月1日あたりから営業を再開するという情報がいくつかの学校であります。
しかし、これも政府がワクチンができるまで通学禁止と発表したことで再開の目処は立たなくなるでしょう。
すでにコネクトの提携校からは年内は休校、2021年2月から3月に再開できるかどうか未確定といったお知らせも頂いています。
こんなことは、少しでもフィリピンを知っている関係者であれば簡単に予想できることです。
再開予測を伝えてくれている学校は非常にありがたいですが、現時点で割引集客しているような学校やエージェントは避けた方が良いでしょう。
特に今の時点でTwitterなどでしつこく宣伝が目に付くような業者は絶対に利用しないで下さいね。
どれだけ甘く見通しを立てて学校が再開したとしても、あらゆる問題が考えられます。
すべてがクリアにならない限りは「どんなリスクを背負っても良い」という留学生以外にはおすすめできません。
留学費用の返金トラブルや持ち逃げが発生する?
あえてココでは書きませんが、いくつかの有名校で返金トラブルが起こっています。
Twitterなどを調べればすぐに分かりますが、どこの留学エージェントでも力強くおすすめしていた日系の有名校が目立っていますね。
もちろん、SNSは一方的な情報なので正確性はありません。
しかし、私が知る限りは「トラブルが起きて当然」と言ったところです。
今回の返金トラブルが私が「人気があるとされている日系の有名校と提携してご紹介していない理由」とも言えます。
そして、誇張なしにフィリピン留学でビジネスをしている語学学校の多くは資金が回らずに閉校の可能性を秘めています。
特に大きな設備を建設している学校や100名を超える規模の学校になるとランニングコストだけでも厳しいでしょう。
2月下旬にフィリピンでコロナ問題が発生してから3ヶ月が経ちましたが、すでに休業を維持できる限界に達しています。
7月から9月に営業再開できないとなると相当数の学校が廃業することになるのは誰でも予想できることですね。
そうなると、学校やエージェントに留学費用を持ち逃げされる可能性も無いと信じたいですが、これまでの世界中の留学業界から考えると少なからず起こる可能性があります。
最低限で、この項目がクリアにならない限り留学を進めるべきではありません。
●渡航前の返金規定
●留学費用の支払いがいつまでに必要か
●留学中にコロナが再拡大した場合の返金規定
●留学中にコロナの影響を感じて自己都合で中止する規定
●返金が発生した場合の返金に掛かる期間
セブ留学の語学学校で起きた返金トラブルの内容
今回コロナの影響からセブで人気の日系有名校やエージェントでこのようなことが起こりました。
●コロナは災害扱いになり学校都合ではないので返金しない
●返金しないと発表した後にクレームを受けたために返金するけど6ヶ月後(すでに費用を使い込んで手元にお金が無い?)
●代替えにオンライン授業で提供するので返金無し(留学の意味がない)
●1年間の延期は可能、キャンセルするなら自己都合なので通常規定どおりに手数料を徴収
●返金無しについて泣き寝入りしない留学生を名誉毀損で訴訟すると通告する
●学校は全額返金しているのにエージェントが返金手数料を独自に徴収
人気の有名な日系学校がこのような対応をしたので「フィリピン留学=質が悪い」というイメージが付いてしまって非常に残念です。
しかし、私がお付き合いしている語学学校は・・・
●渡航前は全額返金
●留学途中の人は良いところで折り合いをつけて返金
●帰国まで留学生のサポートを継続
このように当たり前の対応をした学校ばかりですので、一部の有名な日系の学校のために評判が落ちて非常に残念でしかありませんね。
返金対応やスタッフの対応は良くても、楽しく居心地が良いだけで肝心の英語学習は無策でまったく英語力が伸びない学校もゴロゴロあります。
その反面、スタッフの対応は悪く、学校運営の評判が悪くても、しっかりと頑張れば英語は間違いなく伸びる学校もあったのが事実です。
最終的には学校に任せるのではなく「何を優先するか?」「学校をどう利用するか?」といった取捨選択をしながらバランスを取るのが留学では大事なことになりますね。
まとめ
かなりネガティブな内容ばかりになりましたが、個人的にはこれが現実的な考え方ではないかと思っています。
少なくても自身ですべてのトラブルを解決することが出来る危機管理能力がある人以外は、大きく問題が解決されるまで海外への渡航はおすすめできません。
今後、海外留学などが再開される場合は、元通りではなくこれまでとは違った形の留学になることは間違いないでしょう。
現状で今後の留学はどうなるか?と聞かれて的確な回答を出せるエージェントや学校は無いとしか言えません。
今言えることは、少なくても「割引を提示した留学の早期予約やマイナス面を伝えない業者さんには十分注意してください」ということだけでしょう。
それでは、何か気になることがあれば知りうる限り回答しますので、いつでもお問い合わせください。