フィリピンの治安について気にする人は多いですが、治安よりもっと知っておかないといけないことが、セブの交通事情です。
東南アジアや発展途上国へ行ったことがあれば知っていると思いますが、セブの交通事情はかなり悪く、日常生活で常に面することなので治安より断然危険です。
ここでは、セブに関わって7年になる私の経験から、日本とは大幅に違うセブの交通事情についてまとめていますのでご参考にどうぞ。
セブ島で一番危ないのは犯罪よりも交通事情
フィリピン・セブは日本より犯罪率が高いのは当たり前ですし、陰った場所でフィリピン人を相手にビジネスをしていたり、日本人同士で足を引っ張りあったりしながら、ヒットマンに狙われるなんてことも頻繁に起こっています。
しかし、それらは日本と同じでその手の人達がお互いにやりあっているだけで、留学生や観光客が被害に遭うようなことは稀な話で、2012年からセブに関わっている私も留学生が被害に遭うような命に関わる大きな事件はほとんど聞いたことがありません。
もちろん、スリや詐欺などの被害は少なく無い留学生が遭っていますけどね。
ただ、そんな被害は「危ないところへ行かない」「知らない人の誘いに乗らない」「荷物に気を付ける」という世界基準で最低限のルールさえ守っていればほぼ防げるトラブルです。
しかし、日常的に目の前にあり、いつ被害にあってもおかしくないのが交通事情ですね。
セブの交通ルールはあって無いようなもの
フィリピンに交通ルールがあるかないかと言えばもちろんあります。
バイクは歩道を走ってはいけませんし、反対車線に入って走行してはいけませんし、急な車線変更や幅寄せも、もちろん禁止です。
しかし、そんなルールは全く関係ありませんし、無いも同然というのが東南アジアや発展途上国では当たり前の話ですね。
フィリピン・セブでは歩行者優先ではなく車優先
これも、フィリピンだけの話ではありませんが、基本的な話としてフィリピンに「歩行者優先」などという言葉はありません。
フィリピンでは、車>>>>>バイク>>>人という位の優先順位です。
さらに、車に乗っている人が、富裕層であればもっと差が広がりますね。
基本として、フィリピンのお金持ちは道を歩くということをしませんので、富裕層から見れば「道を歩いている人=貧民」という位置づけです。
ですので「歩行者がいるから車が止まる」ということは普通は起こりません。
「車(強者)が通るんだから歩行者(弱者)はどけろ」という感覚が極当たり前に根付いていますね。
セブは信号が少ないので道路を渡るのは命懸け
セブではこのような状態の道を縫って渡らなければ、反対側に行くことはできません。
最近では、要所に信号が取り付けられるようになってきましたが、それらはあくまで車やバイクのためであって、どう考えても人は考慮されているようには思えません。
青信号で歩道を歩いていても右左折する車が、ガンガン突っ込んできますからね。
歩行者は車が全て通り終えてから渡るのが当たり前で、止まるだろうと思って行くと止まらないので轢かれてしまいますよ。
大通りなどでは、片側2車線や3車線で車線で信号も歩道も無いことも当たり前ですので、道路を渡るときはいつも命懸けです。
道路を渡るタイミングに慣れてしまえば大丈夫ですが、多くの留学生が怖いと口にしますね。
可能な限り、他に渡る人について行くということ、スキマから飛び出してくるバイクに注意することを忘れないようにして下さい。
また、道を歩くときは車の進行方向とは反対の道を歩くようにしないと、後ろから引っ掛けられる可能性もありますね。
セブはまともな歩道が無い
留学生の皆さんでも、道路沿いを歩いている人は多いのですが、セブは基本的に街中を歩くような環境ではありません。
ちなみに、画像にはきちんと白線があるので大丈夫なように見えますが、白線の内側はバイクが突っ込んで来るので危険です。
一応はセブの市街地であれば整備された場所には歩道がありますが、車通りの多い場所に限ってしっかりとした歩道はありません。
あったとしても整備されていない歩道や、歩いていると歩道が塞がれていてと何度も車道を歩かないといけなくなるような状態になることも普通です。
特に、ジープニーなどの乗合バスは道路の端にかなり接近してくるので要注意ですね。
また、マクタン島内には歩道が無いようなものなので、車がかなりギリギリを通っていくことも少なくありませんし、トライシクルという乗り物のサイドカーに当てられることもあるので注意して下さい。
渋滞が酷いので歩いた方が早いが排気ガスに注意
歩くのは危険だと言っておきながら言うのもなんですが、私は基本的にどこへ行くのにも歩きます。
何故かと言えば、最近のセブは幹線道路の渋滞が激しいので、タクシーなどに乗るよりも歩いた方が早いと感じる場合が多々あるからです。
ただ、幹線道路沿いを歩くときはしっかりとマスクをする、もしくは定期的に水分を取って喉を潤すなど喉のケアをしておかないと、喉を痛めてしまうということがよく起こります。
セブ到着1週間で授業で声をだして喉が疲れている状態で、外を長時間出歩いて喉をやられてしまって、声が出なくなった生徒さんもそれなりの数がいますからね。
フィリピンで車やバイクに引かれるとただの轢かれ損
正直に言って、フィリピンでの人の命の価値は低いです。
もちろん、心情的には低くありませんが、補償される金銭的な面ではとても低いですね。
車に轢かれて死んだとしても、日本人からすれば雀の涙ほどの賠償金ですし、相手がお金持ちだったとしても雇っているドライバーだとしたら、ドライバーの責任ですのでその賠償金すら支払い能力がありません。
特に、バイクやジープニーに当てられてしまうと、支払能力などはほぼありませんので大怪我を負わされたとしても「お金がないから刑務所行く」と言われて、全て自己負担の泣き寝入りです。
さらに言えば、正当に轢かれた方が被害者となれば良いですが、目撃者がいなかったりすればひき逃げになる可能性も高いですし、ひき逃げされたところでフィリピンの警察はどこの誰だか分からない外国人のために捜査に動くこともありませんね。
フィリピンの警察が一生懸命に働くのは、フィリピンにおいての権力者のためや自分たちの身内のためだけです。
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