フィリピン留学の目標の一つとして、掲げられる目標の一つ。
字幕無しで映画が見れるようになりたい
という目標を掲げる留学生は少なくありません。
私も初めてフィリピン留学した時は一つの目標として希望していましたね。
しかし、結論からお伝えすれば「フィリピン留学をして英語を身につければできるようになる?」と聞かれますと、残念ながら「絶対ではないですが、まず無理です」としか言いようがありません。
この記事では、フィリピン留学をしても字幕無しの映画が見られる可能性が限りなく低い理由と、どうすれば字幕無しで映画を見れるようになるのかをまとめています。
フィリピン留学しても映画は字幕無しで見れない
まず、映画やドラマを字幕なしで楽しむレベルというのがどれくらいのイメージかと言えばこのような感じです。
TOEIC400
中学レベルの文法が60%~80%理解出来る
TOEIC600 IELTS 5.0
中学レベルの英文法でなんとか話せる
TOEIC 800 IELTS 6.0
アジア圏で仕事するならなんとか困らない程度
TOEIC 900 IELTS 7.0 英検1級
アジア圏なら社会に出てもそれほど困らない英語力
IELTS 7.5以上
ネイティブ圏での社会生活でも困らない程度の英語力
<<<大きな壁>>>
ネイティブレベル
字幕無しの英語の映画やドラマが問題なく楽しめる
このように映画を字幕なしで見るというのは、母国語に近いレベルで英語力が無いとそう簡単には出来る事ではないのです。
当然、子供向けの映画などであれば見ることができる可能性は多少なりとも上がります。
しかし、それでも60%から70%聞き取りができればかなりの上級者と言って間違いありません。
映画は専門用語などが多すぎる
映画ではスラング、専門用語、ダブルミーニング(掛詞)、口語、文法無視などなど、なんでも有りです。
言ってしまえば、学校の授業で学ぶ程度の綺麗に整えられた英語では話になりません。
例えば、日本でも昔流行った「マトリックス」という映画がありましたよね。
この映画は映像とアクションの革新さからすごく人気が出たものの、当時は映画の意味を理解出来ている人は多くなかったと言われています。
なぜなら映画の中でIT用語がドンドン飛び出してくるからです。
映画の中で良く出てくるIT用語「ソース(source)」一つ取っても、その意味を理解出来ていなければ見ていても分かる訳がありません。
しかも、マトリックス(Matrix:物を生み出す基盤、発生源など)を題名としてしか捉えていなければ、どれだけ見ても理解できないのです。
このように、日本語ですら理解が難しい専門用語も映画では手加減無く使われますの。
数週間~数ヶ月の間、学習者向けに整えられた親切な英語を勉強したところでどうにかなることではないのです。
映画は見る人のことを考えて話してくれない
映画では、人種、年齢、性別でイントネーションやアクセントも変わります。
英語が100%聴き取れて当たり前の人しか対象にしていないので、ボソボソ話されると全然聞き取れないということが当り前にありますね。
私達のような日本人の学習者はいつもキレイな音声ではっきりと聴きやすく作られている教材で勉強をしていますが、映画ではそうは行きません。
例えば、高倉健さんが低い声でボソボソと話すと全て音がこもっていますが、日本人であれば普通に聞こえます。
しかし、映画でシュワルツネッガーやスタローンがボソボソと話していると「聞こえないからもっとはっきりと喋って」と言いたくなりますよね笑
ただ、日本人が高倉健さんが低い声でボソボソと話しても日本語であれば聞き取れるように、ネイティブにも同じく問題なく彼らのボソボソ声が聞こえているのです。
このような聞き取りにくい英語を聞き取るには慣れしかありませんが、残念なことに教材の英語を利用している限りは無理です。
私にはニューヨーカーと結婚して、ネイティブと英語を話し、色んなネイティブの英語を聴きながら、10年程アメリカで過ごしている親戚がいます。
しかし、それでも自分に向けて話しかけられていない声を聞き取るのはまだ難しいそうですよ。
フィリピン人とネイティブでは話すスピードが違う
私達がリスニング教材で使う音源で聞きやすいと感じるスピードは1分間に100語から120語です。
下にある動画のオバマ大統領の就任演説がそれくらいのスピードですね。
スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学で行った有名なスピーチが150語から160語、TOEICのリスニングパート3やパート4なら約170語程度。
1分間170語は、TOEICリスニングで4000点を越える程度の人であれば知らない単語や言い回しを除いて8割は聞き取れるスピードになりますね。
しかし、ニュースやTVの中継でペラペラっと話すスピードは1分間に200語~230語程です。
私達日本人が早い!
と感じるスピードがこの200語前後からなのですが、弁護士や政治系のドラマや映画、野球の実況中継などであれば1分間に250語に達する場合もあります。
ちなみに、ラップで有名なエミネムの曲は1分間で300語を超えているようです。
慣れれば170語程度まではそう難しくないのですが、200語を超えてくると体感でかなり違いますね。
ですので、せめて1分間で200語が余裕を持って聞き取れるレベルでないと、英語を字幕無しで見ることはまず無理です。
これも、数週間から数ヶ月が主流のフィリピン留学で勉強したところで、字幕無しで映画を見れるようにはならないとお伝えする理由の一つですね。
留学して字幕無しで映画をみるために
と言えば、下記のような順で愚直に繰り返し反復練習をすれば出来るようになる可能性が近づくと言われています。
フォニックスなど発音の基礎を学ぶ
リスニング力を高めるのに一番重要なポイントは「発音矯正」です。
発音の基礎を学習すれば、正しい発音が身に付いた上で、聞こえなかった音が聞こえるようになります。
基礎英語を徹底して口に出しての反復練習
リスニング力を高めるには「リスニング」でなく「スピーキングの練習」方が重要です。
自身のスピーキングスピードを上げれば、単純に早いスピードの音に慣れることができます。
特に、リンキングやシラブルなどを意識して英語を練習することで、さらにスピードに慣れる事ができますね。
さらに、早口で話すということは、次の言葉をイメージする思考力も上がります。
そうすれば、頭の中で瞬時に処理できる英語量が増えます。
感覚的には学習教材についている英語は遅いので、英語の音源があれば常に1.5倍速で聴いてスピーキングの練習するのも良いですね。
特に初心者から中級者レベルで効率よくリスニング力を伸ばしたい方は、リスニングの授業よりもスピーキングでたくさん話すようにするのがおすすめです。
英語で理解するために映画を徹底解剖してみる
好きな映画1本のスクリプトから内容を理解し、知らない単語、知らない言い回しを学習してから、何度でも同じ映画見るのはよくおすすめされますね。
リスニング力が上がっても、理解力が追いついていなければ聞こえた音はただの音でしかありません。
初めて見た映画を1回で理解したいなんていう何年掛かるか分からない希望は横に置いて、まずは馴染みのある好きな映画を徹底的に解剖するべきです。
解剖したアトは、英語字幕を見ながら映画を見て、同じように話せるように口真似で練習していけば、50回程繰り返した頃には全て聞き取れるようになっているはずです。
そして、同じようなジャンルの映画を選んで、同じことを繰り返します。
そうすることで、そのジャンルの映画で出てくる単語や言い回しを聞き取りやすくなり、聞き取れる幅が広がります。
ただし、法廷、政治などの映画はハードルが高すぎるので避けて、できるだけ日常生活を題材にしたような映画にすることをお勧めします。
まとめ
色々知ったようなことを書いていますが、そんな私も一番最初の留学で「映画を字幕無しで見れるようになりたい」と言ってしまった一人です。
さらに、字幕無しで見られる映画は上の学習法で徹底的に頑張った比較的簡単な2本ほどしかありません笑
字幕なしで英語を見ることを目標にすることは構いませんが、留学でそれをどうにかしたいというのは「それは無理ですよ・・・」と思われているので止めた方が良いですね。