ただ、留学で何を最優先するかで結果は大きく変わりますね。
特に就活の為に留学でTOEICのスコアを取っておきたいけど英会話も伸ばしたいという大学生や20代の人が、優先順位を間違って中途半端な留学になってしまうことが少なくありません。
ここでは、留学で失敗しやすいパターンと留学で失敗しないようにする方法について深堀りしてみましょう。
TOEIC優先のフィリピン留学を失敗しないようにする方法
結論からお話してしまえば、留学を失敗しないようにする方法はとてもシンプルです。
1.「目標」を明確にして「最優先」を決める
2.「目標」を達成するためのスケジュールを作る
3.決めたスケジュールをやり抜くまで「日和らない」
自分のペースでのんびりできれば良いという方は気にする必要はありません。
しかし、本気で結果を出したいのであれば、留学前に「目標」を明確にしていない段階で失敗は目に見えていると言っても言い過ぎでは無いですね。
留学の目標を明確にして最優先を決める
留学は目標を決めないと無駄になる可能性が高いというのは、私のブログでは何度も書いています。
しかし、これまで多くの留学生とカウンセリングをした経験からすると、その目標があくまで希望を書き出しているだけということが多いです。
どういうことかと言えば「目的として何を最優先するのか明確になっていない」のです。
例えば、大学生や20代の社会人の方に非常に多い「希望」はこちらです。
TOEIC800点を取って、英語を話せるようになる。
TOEIC800点というと数字がある明確な目的のように見えます。
ただ、少しネットを調べれば分かる通り「TOEIC=英会話」ではありません。
学習する方向性が違うことを同時にしようと考えていることですでに優先順位が付けられていないということですね。
もちろん、両方なんとかしたい気持ちは非常によく分かります。
しかし、留学の時間は限られていますのでTOEICのための勉強と英語を話せるようになる勉強を同時にするような効率の悪い手段は取らない方が懸命です。
例えば、よくTOEIC系の学校でも話せるようになると留学前と留学後の違いでスピーチをしているような動画があります。
しかし、覚えれば誰でもそれっぽく出来るスピーチと瞬時に話さないといけない日常英会話は全く違いますので参考程度に考えておいた方が良いでしょう。
TOEIC800点が必要な理由は?
TOEIC800が必要な理由が「仕事や就活で役立ちそうだから取っておこう」という方は少なくありません。
ただ、留学して結果を残す人の大半は違います。
とりあえず持っておけば有利になるかも知れないと考えた場合は心のどこかに「とれなくても構わない」という思いがあるので、結果に繋がらないことがよくありますね。
仕事や就活で役立ちそうだから取っておこうということが悪いとは言いません。
しかし、明確な目的がある人よりも結果が出ない人が圧倒的に多いですので、留学前から留学終了までの学習スケジュールをしっかりと決めることが重要になりますね。
TOEICで就活が有利になるのは事実
先にお伝えしておきますが、私は留学でTOEICをすることにはどちらかと言えば賛成しない派です。
あくまで留学では「一人では出来ないこと」に重点を置いて、余裕のある時間でTOEICの学習をする程度をおすすめしています。
また、どちらかと言えば将来的に考えて確実に世界に出られる英語力が身につくIELTSの方をおすすめしています。
しかし、現実的には若ければ若いほど「TOEICスコア優先+英会話習得」を希望する留学生が多いのも事実です。
理由は言うまでもなくTOEIC800あれば日本での就活で少なからず有利になるからですよね。
その場合どのように回答するかと言えば、とりあえず英会話は捨てるか後回しにして、まずはTOEICに集中をおすすめしています。
その理由はいつもお伝えするのですが・・・
TOEIC800点は持っていないけど英語はある程度話せる人
TOEIC800点はあるけど英語は少ししか話せない人
この2者であれば就活で有利になるのは間違い無くTOEIC800点ある人ですよね。
希望する会社の要件としてTOEIC800があるのであれば、TOEICが無い人は書類選考すら通りませんが、英語が話せなくてもTOEIC800あれば1次面接に進めます。
日系の企業であれば担当者によっては・・・
TOEIC800点を取れる努力が出来る人
今話せなくてもTOEIC800の地力があれば十分な伸びしろがある人
というように考えてもらえる可能性も高いでしょう。
TOEICと英会話を並行するには時間が足りない
先にも書いたようにTOEICのスコアは、頑張れば誰でもほぼ確実に結果を手にすることができますが、英会話は3ヶ月や6ヶ月でペラペラになるようなことはありません。
何故かと言えば、TOEICのスコアを取りつつ英会話の練習をするということは、TOEICのスコアと取るだけよりも2倍から3倍の時間が必要になります。
とりあえず、TOEICのスコアを取るだけで、平均的にはこれくらいの時間が必要になります。
スコア | 学習時間 |
300点⇒400点 | 300時間 |
400点⇒500点 | 300時間 |
500点⇒600点 | 300時間 |
600点⇒700点 | 300時間 |
700点⇒800点 | 600時間 |
800点⇒900点 | 600時間 |
もちろんTOEICでも地頭の良さや勘の良さなどで必要な時間は変わってきます。
しかし、偏差値30台だろうとやるべきことをしっかりと頑張れば間違いなく800点程度は取得できるようになりますね。
TOEICは記憶と慣れでスコアが取れるので、頑張ったけど取れない人は頑張りが足りないかよほど効率の悪い学習をしているのかのどちらかでしょう。
また、この時間はあくまでTOEICのスコアを取ることに集中した場合に必要になる時間ですので、英会話の練習は含まれていません。
これをフィリピン留学で800点を取ることを目標に置き換えてみると、留学時点で持っているスコアから考えてこれくらいの学習時間が必要になります。
必要な学習時間 | 学習時間の合計 | |
300点⇒800点 | 1週間60時間で約30週 | 1800時間 |
400点⇒800点 | 1週間60時間で約25週 | 1500時間 |
500点⇒800点 | 1週間60時間で約20週 | 1200時間 |
600点⇒800点 | 1週間60時間で約15週 | 900時間 |
700点⇒800点 | 1週間60時間で約10週 | 600時間 |
300点レベルで中学文法も怪しい場合はもっと時間が掛かる可能性もありますね。
有名大学ではなく、一般的なレベルの大学生の場合はTOEICの平均が500前後ほどですので、留学前に500点の人が800点の取得には約20週で1,200時間必要な計算になります。
フィリピン留学では1ヶ月が4週間計算なので、TOEIC800点を取ることだけに集中しても約5ヶ月は計算しておかないといけないということです。
大学生の場合は休学して6ヶ月ほどの留学を考える人が多いですが、6ヶ月では平均的な時間から考えて英会話の練習に時間を割いている余裕は無いことは分かると思います。
ただ、TOEICの学習をして、全く英会話力が伸びないなんてことはありません。
TOEIC650点が取れる頃には、中学英語を使った簡単な短文での意思疎通くらいはできるようになります。
しかし、TOEIC650点ほどからは「TOEICのための勉強」を集中的にしないとスコアが伸びなくなるので、年単位で留学できないのであれば短期留学でスピーキング授業を受けている余裕はありませんね。
留学までの事前学習でTOEICスコアを上げておく
ここまでで、留学でTOEICと英会話の両方を求めるのには時間的にかなり難しいというお話をしました。
ただ、実際にお話をしていると「それでも何とかならないか?」という話になるパターンが普通です。
当然「できない」「無理」では話になりませんので、出来る可能性がある方法をお伝えしています。
留学して時間が足りないのであれば留学前から事前学習で時間を作ること。
TOEICの教材を使ってスピーキングの練習をすること。
一番大事なことは、留学して勉強するのではなく、留学前からしっかりと勉強しておきましょうということです。
例えば、6ヶ月後から留学を考えているのであれば毎日3時間学習するだけで540時間は勉強時間を確保できます。
そうすれば、留学前に500点の人が800点の取得には約20週で1,200時間必要だった時間を残り740時間にすることができますよね。
社会人でも通勤、帰宅、早朝、寝る前など頑張って時間を生むことで毎日3時間の学習を続けることができるので、大学生だとすればもっと時間を作れる人は多いはずです。
例えば、留学まで残り3ヶ月だとすれば自分自身が留学できる期間と必要な英語力を得る為に必要な時間から逆算して、事前学習にどれだけ時間が必要か計算すれば良いですね。
キツイ言い方になりますが、この段階で「無理、できない」と言ってしまうようであれば、かなりの確率で留学しても結果はでないことが目に見えているのは間違い無いでしょう。
話は少しかぶっていますが、TOEICを使ったスピーキングの練習方法はこちらをご参考にどうぞ。