英語を勉強して、ある程度話せるようになった学習者がおすすめする英語の教材はだいたい同じような本になります。
その中から一番評価の高いものを選んで買う人も少なく無いですし、おすすめの本は根こそぎ買ってしまうコレクターな人もいるでしょう。
しかし。
英語初心者の人が
「話せるようになっている人達がオススメしてるんだから良い本だろう!」
というのはちょっと待って下さい。
良い本だけど初心者は読んじゃダメ!
例えば
・一億人の英文法(会話向けの文法本)
・Forest(文法本)
・ハートで感じる英文法などのハートで感じるシリーズ(文法本のような読み物)
・Grammar in use(世界的なベストセラーの文法書)
などなどが、英語学習者の間では非常にメジャーな文法に関する本です。
「Grammar in use」は全て英語で書かれているので最初から省くのは当然として、これらの本は全て初心者が読むと混乱するかまったく理解できない、またはハートで何も感じられないだけなので止めたほうが良い代表的な参考書でもあります。
初心者に最初から「英語は英語で勉強した方が良い!」と言って「Grammar in use」をすすめる方もいますが、実際に超初心者の時に留学して「学校のおすすめ」でこれを使って勉強していた私からすれば「3ヶ月は無駄にした」という結果でした。
では、なぜ超おすすめの優良書籍なのに読んではダメなのでしょうか?
基礎に見えて応用ばかり
どの本も、ものすごく丁寧だったり、詳細まで説明されていたり、絵が多くて理解しやすかったりと色んな方法で作られているので本当に良いのです。
「Grammar in use」も英語で説明されているからこそ、気づくこともたくさんありますしね。
しかし、残念ながら基礎を勉強しないといけない初心者にとってまだ必要ない情報が多いんですよね。
とりあえず基本的なことだけ知ればいい段階で、応用まで学んでしまうと情報過多になってしまいオーバーロード(過負荷)になってしまうので良くありません。
これらの本は初心者向けではなく、中学文法を勉強して、高校文法もある程度勉強して、TOEICなら600点から700点あって、それなりに勉強しているのに「英会話が上達しない」「TOEICのスコアが上がらない」という状態になった時に読んで初めて理解できるようになる本です。
英語の基礎が無く、英語で悩んだことも無い初心者が読んだ所で
「ふーん。良くわからないけど、そういうことね」
で終わりです。
私も初心者の時にハートで感じる英文法を読みましたが、まったく何も感じませんでした。
10年前の当時にTOEICが900を越えていて、私から見てペラペラな人から「絶対に読んだほうが良いよ!」とオススメしてもらったんですが、三分の一程読んで諦めましたね。
しかし、それがTOEIC600点くらいになるまで勉強して、簡単な日常英会話ができるようになってから読んでみたら「どうしてこんな簡単なことを今まで理解できなかったのか!」とそう感じられた自分に嬉しくなったことを覚えています。
すぐに使えるフレーズ系の本も止めたほうが良い
本のキャッチコピーなどで「すぐに使える厳選100フレーズ!」のような心をくすぐる本がありますが、これも初心者が利用するのは止めたほうが良いです。
同じく「すぐに使える旅行英語」のような謳い文句の本も止めておきましょう。
これについては他の記事でも少し説明していますが、このような本はまる覚えする以外に学習法が無く、せっかく勉強して覚えても、後の発展性が無いに等しいからです。
例えば。
Can you tell me how to get to the airport?
空港への行き方を教えてもらえますか?
旅行英語としてもとても使い易い文章ですので絶対に覚えておいた方が良いですね。
しかし、初心者がこの文章がどうやって構成されているかを知らずに一つの英文として丸暗記して使えるようになっても、この一文以外に使い道が無くなってしまうんです。
それが、この文章の構造を知っていれば旅行英語だけじゃなく、何百通りに変化させることができる文章として発展させることが出来るようになります。
Can you tell me how to use this laptop?
このパソコンの使い方を教えてもらえますか?
Can you tell him how to play basketball?
彼にバスケットボールのやり方を教えてもらえますか?
Can you tell them how to cook Okonomiyaki?
彼らにお好み焼きの作り方を教えてもらえますか?
と、これらのようにちょっと変えるだけで、たくさんの文章が作れるということです。
旅行英語や丸暗記フレーズ系の英語の勉強をする必要がないと言う訳ではないですが、別にすすんでそれを学習しなくても、大事な基礎の勉強をしていれば旅行英語なんてすぐに出来るようになりますからね。
すぐに使える英語は最短距離に見えて、それを使って実際に会話ができるようになるためにはかなりの遠回りと時間の無駄をしているということです。
まとめ
素晴らしい良書も読むタイミングを間違えれば駄本になることは良くあります。
よく分からなければ「それは読み足りないだけだから、分かるまで10回でも100回でも読みましょう!」という持論を持っている方もいますが、そのような方法で学習をしたところで本を覚えてしまうだけで、その本の本質を理解しているかどうかとは別の話しです。
もちろん、レベルに合った本を読んでいて理解できないのであれば理解できるまで読むことは大事ですが、普通はレベルさえあっていればそんなことにはならないので気にしなくても大丈夫です。
留学していても、初心者の方が話せるレベルの人たちに勉強法を聞いた為にそれを信じてしまい、学校がおすすめするレベルの合った授業を拒否して「話せる人向け」の授業にこだわって失敗する方もそこそこいます。
どんな本でもどんな学習法でも今のレベルに合った物を選ぶということは非常に重要ですので、留学前で、留学中でも路頭に迷う前に相談してもらえればと思います。