フィリピン留学を考える留学生の多くが気にするのがフィリピン人講師の英語のなまりです。
中には「ネイティブに近い発音の先生じゃないと授業を受けたくないので、そういった先生がいる学校を紹介して下さい」とお問い合わせされる方もいます。
ここでは、フィリピン人の英語の訛りやフィリピン人の英語が聞き取れない理由などについてまとめていますのでご参考にどうぞ。
フィリピン人はなまりが酷いから授業は受けたくない
では、フィリピン人の先生の英語になまりがあるのかどうかと言えば・・・
そりゃ、訛りがありますよ。
フィリピン人に英語は母国語じゃないんですから訛りが無い訳がありません。
というようなアピールをしているサイトもあります。
しかし、フィリピン人の先生達にネイティブとまったく問題なくやり取りができる英語力はあっても、ネイティブと比べて遜色がないなまりの無い英語を話す訳ではありません。
綺麗な英語を話すフィリピン人に英語力が低い人はあまりいない
例えば、私の経験上から言えばざっと100人面接すればこのような割合になります。
1.綺麗な英語であったり、カッコいい英語だと思う人 5%
2.十分に発音が綺麗で先生でも問題ないと思う人 10%
3.なまりが気になるけどそんなものかと我慢できる人 65%
4.これはなまりがキツすぎて無理と思う人 20%
以上のような割り振りになることが平均的かなと思います。
どこかの学校で先生をやっていたという応募者が多い時はもう少し割合が変わりますが、発音をしっかりと意識していない一般の人ばかりであればこの段階で80%はアウトです。
1番の綺麗な英語を話す人の場合は、総じて英語力も高いことが多いので、優先的に採用方向で進んで行きます。
なまりが強い人ほど英語力も低い傾向にありましたので、私がマネージャーをしていた学校では筆記試験の段階で3番、4番は選考基準から外れてしまいますし、発音の審査まで通らない場合がほとんどでしたね。
英語の先生として採用できる可能性があるのは5%以下
しっかりと発音を意識して採用している場合は、主に1番と2番の人達が選考の対象になりやすく、ざっと応募者の15%程がそれに当たります。
やはり、英語の先生になりたいと思う限りは自身の発音などを気にすることは当然です。
もし、英語力が高いとしても、なまりが酷いことに意識が向かない時点で先生としては向いていません。
ただ、オンライン英会話や大規模校であれば3番までは許容範囲にして、その中から比較的良い先生を探して雇用していかないと先生の数を確保することは難しいです。
私も、格安校やオンライン英会話であれば、それなりに英語力がある3番の人なら十分に許容範囲だと思いますね。
ちなみに、3番の「なまりが気になるけどそんなものかと我慢できる人」がどれくらいのなまりかと言われても分かりにくいと思いますので、動画で見てみましょう。
40秒ほど見れば十分に分かると思いますが、こちらの動画のフィリピン人で3番から4番の間くらいの訛りになります。
動画の中で本人も言っていますが、フィリピーノアクセントを使っていることは分かっているので、外に出た時は周囲に合わせてアクセントを意識する人もいますね。
先生の中にも授業中や生徒さんと話している時は気にならないのに、勤務が終わってプライベートになるとアクセントがきつくなる先生もいます。
フィリピン人英語には訛りがある
日本人が聞いて、フィリピン人の先生達が話す英語がどれだけネイティブと遜色が無いように聞こえたとしても、ネイティブからすればすぐに気が付く訛りです。
例えば、この動画をご覧下さい。
お笑い芸人・パックンマックンのパックン。
日本語はペラペラですし、しっかりと社会情勢なども勉強していることが伺えるので、日本のことに対する知識力も並の日本人では太刀打ちできないでしょう。
そんな彼の日本語は、日本語を学ぶ外国人からすればそれはもう日本人並みのペラペラに聞こえるはずです。
しかし、日本人から見れば日本語完璧だけど完全な英語なまりになってますよね。
これと同じで、フィリピン人の先生達がどれだけ綺麗な英語を話そうとネイティブからすればなまって聞こえるのです。
ですので、フィリピン留学で先生以外のフィリピン人はなまりが酷いけど、学校の先生はなまりが無いなんて都合の良い話はありません。
フィリピン人の先生にはなまりがあります。
話しが終わってしまいそうな流れですが、続きます笑
フィリピン人の英語は訛りが移る?
例えば、訛りについて留学生が何を気にするかと言えば。。。
どれも嫌ですね。
などと、どの学校のホームページにも書かれているのに、そんな先生に当たったら最悪です。
では、実際にそういうことが有るのでしょうか?
フィリピン人から教えてもらっても訛りは移らない
まず結論から言えば、訛りなんて移る訳がありません。
もし訛りが移るというなら、語学学校で5年間フィリピン人と一緒に働いて、トレーニングで300人近い先生から授業を受けて来た私はフィリピン人訛りの英語になっているはずです。
よほど自分から進んでフィリピン人のなまりを真似して練習でもすれば、少しはフィリピン人なまりが身につくかも知れません。
しかし、常にわざと意識しないと自然に使うのはまず無理でしょうし、次はフィリピン人なまりの英語を身に着けることが難しいとなるでしょうね。
たった数週間、数ヶ月でなまりが移るなんてことは無いので安心して下さい。
そもそも正直に言って、世界的に見て訛りが酷いと言われる日本人が世界的に見て英語力が高いと評価されているフィリピン人の訛りをバカにして避けるなんておこがましいという話しです。
世界でも有名な企業がフィリピンにコールセンターを置いて、フィリピン人にネイティブの対応をしてもらっているんですから、フィリピン人なまりがあったとしてもネイティブには関係ないということだとも言えます。
もちろん、コールセンターではきっちりとアクセントトレーニングが行われているので、綺麗な英語を話せる人が多いですけどね。
フィリピン人の英語は訛りが酷いから聞き取れない?
確かに、タクシーの運転手、バイクタクシー、ガードマン、ローカル食堂の店員の英語などであれば確かに何を言っているか分からない時が良くあります。
フィリピン人の英語はなまりが酷すぎて聞き取れないという人の多くは、これらの人達をピックアップして酷い酷いと言いますね。
ガードマンなどちょうどはこちらの動画のような感じで話します。
遊んでいる本人達も笑っているので、どれだけ酷いか理解しているのは分かりますが、それでも基本の文法構造が合っているので問題なく通じていますね。
本当に酷い場合はなまりだけでなく、文法も間違っていることも多いので状況を読んで話をしないと本当によくわからない時が多いです。
もちろん、ガードマンはランクによって給料に違いがあるので高ランクの人はもっとしっかりと分かるレベルで話しますけどね。
しかし、当たり前ですが、さすがに先生レベルでガードマンのように酷いアクセントの人はいません。
多少聞き取りにくいアクセントを使う先生程度は居ますが、先にご紹介した動画の3番程度のアクセントで、通常は先生が陽気で授業を楽しませることができれば上手く誤魔化せるレベルです。
また、全員が右へならえで同じレベルのトレーニングをしても、全員が聞き取り易く、分かり易い英語を話してくれるなんてことは無いですからね。
同じ場所で生まれ、同じ場所で育った人でも、10人いれば10人とも話し方は違うのは当然ですし、将来的に考えても聞きやすい英語しか聞こえないでは話になりません。
それでもフィリピン人の英語は日本人にとってはとても聞きやすい英語なので、初心者には非常に優しいですけどね。
先生レベルでも許容できないレベルの人がいる
先に述べたように、全ての先生に訛りが無くて、綺麗な英語を話す先生ばかりでは無いのは間違いありません。
ガードマンレベルではないにしても「先生レベルでそれはどうなの?」というような先生を平気で雇用している学校も残念ながらあります。
私の基準では先の動画でご紹介した女性は完全にアウトですが、それくらいの人ばかりがゴロゴロといる学校も少なくありませんね。
特に、男性の先生のなまりがキツイ場合があります。
女性の場合は声が高いので聞き取りやすいのですが、男性の低い声で訛りが強いと何を言っているのか本当に聞き取れません。
フィリピン留学に男性の先生は少ないのでリスニング力アップのチャンス
フィリピン留学はほぼ女性の先生ばかりで、男性の先生は多くありません。
しかし、男性の先生には訛りがきつい人も多いのですが、男性の場合はなまりで聞き取りにくいだけではなく「男性特有のこもった低い声なので、その音に慣れていない日本人には聞き取りにくい音なだけ」ということもあります。
いつも例にあげるのですが、TVのアナウンサーの日本語と強面の俳優さんが低い声で話す日本語では明らかにアナウンサーの日本語の方が聞き取りやすいですよね。
しかし、低い声で話す日本語がなまりなのかと言うとそうではありません。
ただ、声が低く音がこもって聞こえるので聞き取りにくいですが、日本人であれば聞き取れます。
こういう声がこもっていて低音で聞き取りにくい先生に当たった場合は「聞き取りにくいから嫌だ」ではなくて、こもった低い音に慣れるチャンスだと思って練習した方が良いです。
ネイティブでも男性の音は日本人からするとこもって聞こえるので、良い練習になりますね。
間違った発音で育って来てるので悪気なく嘘を教えられる
フィリピン人の発音はだいたい正確と言われていますが、残念ながら嘘を教えられることはあります。
例えばこのようなフィリピン人訛りの発音があります。
※ちょっと無理やりカタカナにするので、そこは目をつぶって下さい。
しかし、それを舌を巻いて「エァレェント」や「アレント」と発音するように矯正してくる先生がいます。
これはスペイン語の名残りらしいですが、生徒さんに矯正してこなくても、直さずに普通に使っているフィリピン人の先生はまだまだいますね。
フィリピン人の先生でもそれがおかしいと言われた事がなければ、先生同士でもそれがおかしなことだと気づかないので放置されている人もいます。
また「We’re」 の「ウィァ」を 「were」 と同じ発音で「ワァー」だと教える人もいます。
正直言って、ちょっとその辺りの学校に行けばそんな発音を教える人はゴロゴロといます。
ただ、残念ながらこればっかりは留学してみないと分からないのでどうしようもないというのも本当です。
私達のようなエージェントが授業体験や学校視察をしても、チェックできるのは極わずかの先生だけですしね。
しかし、教え方に問題がないのであれば、間違っている箇所を直せば済むことですし、常識のある学校であればしっかりと伝えて修正してくれるはずですので、気になる点を学校のスタッフに相談すれば良いです。
ちょっと間違っている部分はあるけど、そこを直せば良い先生ということもありますからね。
頭に置いて頂きたいのは、私達日本人が大人になっても間違った日本語を使っているんですから、いくら先生だと言っても英語が母国語ではない先生の英語が完璧な訳は無いということです。
訳の分からない言い訳や、こじつけでその場逃れをするような先生であれば変更した方が良いですが、間違いは間違いで素直に正せる先生であれば怒らずに許容してあげて欲しいですね。
まとめ
では、少し長くなりましたがここでの話をまとめてみましょう。
以上のように、フィリピンの先生にはなまりもありますし、間違いだってあります。
もし、どうしても納得行かない先生がいて、許容できないなら先生を変えてもらえば良いだけですね。
ただし、ネイティブのような英語が話せるようになりたいという強いこだわりがあったり、小さなことでも気にしてしまうタイプだと自分で分かっているようであれば、フィリピン留学ではなく素直に日本でネイティブの英会話教室でも通うことをおすすめしますよ。