フィリピン留学って地域によって先生の質が違うとか、セブは学校が多すぎて先生の取り合いでレベルが低くなっていると聞くのですが本当ですか?
フィリピン留学は地域によって先生の質が違うという意見があります。
そして、最近ちょくちょくと目にする記事で 「セブは学校が増えすぎていて、先生の質の低下が激しいからおすすめしない」 と言った内容を目にしますが本当なのでしょうか?
ここでは、フィリピン留学の地域による違いとセブの学校の先生の質についてまとめてみました。
フィリピン留学おすすめの地域は?
フィリピン留学でメジャーな留学場所はマニラ、セブ、バギオの3箇所ですが、断トツで学校数が多いのはセブです。
しかし、最近ちょくちょくと目にする記事で「セブはすでに学校が増えすぎていて、先生を集めるのが難しいから先生の質の低下が激しい」というようなことを声高に書いている留学業界関係者のブログもあります。
フィリピン留学は地域に関係なく先生の質は10年前と変わってない
私の経験上で言えば、私が一番最初にマニラで留学した2008年から2019年の今にかけて、先生の質なんてこれっぽっちも変わっていません。
少くても私がマネージャーとして先生の採用に関り、多くのフィリピン人の面接に立ち会ってきた2012年から2018年に掛けての話で言えば、採用出来るレベルの先生は30人に1人程度、本当に欲しいと思う先生は50人に1人程度ということは全く変わっていません。
30人程度の小規模校でないと、TOEIC850点オーバーで先生を統一するということは至難ですね。
TOEICスコア900点以上しか採用しないという、TOEICで有名な学校から来た先生のスコアが820点だったというオチもあります。
もちろん、あくまで応募者の多くの平均が730点ほどということなので、どこの学校でもその点数で採用しているということではありません。
フィリピン留学の学校の運営方法はほとんど変わっていない
これも10年前から同じです。
何も変わっていません。
大規模校では、ピークシーズンなどはパートの先生を入れて急場しのぎをしている学校も当たり前ですので、私は例え提携先でもそのようなデメリットを伝えずに繁忙期の大型校をご紹介することはありません。
ただ、大規模校でも年中7割から8割の生徒で埋まっているピークとオフの差が少ない学校もあり、その場合はパートで急場しのぎする必要がないので大きな問題が無い学校もあります。
また、しっかりとした大規模校の場合はそれほど厳しい採用方法はできなくても、常時数週間のトレーニングを行って、それに残った先生だけを本採用するということをずっと続けている学校もあります。
という訳で、先に挙げたようなピークはパートでしのぐという学校の運営方法も、少くても私が確実に知る2012年からまったく何も変わっていません。
少し留学経験があって、学校やエージェントで少し働いた経験がある程度の経験の浅い人達が、ブログの閲覧数を上げるためにおもしろおかしくセブをやり玉に上げて書いているんだと思いますが、昔から学校の運営方法は全然変わってません。
フィリピン留学の悪い点は今も昔も同じです。
もちろん、サービス内容や施設などは昔と比べれば大幅に変わっていますよ。
フィリピン留学で先生のレベルの割合も変わっていない
セブ留学は先生の質が低くなってきていると言う声がありますが、先生の良し悪しの割合も以前と同じです。
セブ留学だけでなく、フィリピン留学では少人数制の一部の学校を除いてだいたいどの学校でも先生の割合は似たような感じです。
・ずば抜けて良い先生 5%
・良い先生 10%
・普通の先生 60%
・我慢できる先生 20%
・酷いと感じる先生 5%
良い先生を基準とした場合、酷いと感じる先生、我慢出来るレベルの先生、普通の先生、良い先生、ズバ抜けたレベルの先生と5段階評価にすれば大雑把でも85%近くは普通の先生以下でしょう。
普通レベルの先生が圧倒的に多いのですが、学校の体制とカリキュラムがしっかりとしていれば普通の先生であれば十分なので、それが悪いと言っている訳ではありません。
セブだけ学校が増えたから先生の数が不足していて、質が低下しているなどということはちょっと見知った範囲の憶測でしかなく、フィリピン留学全体で元からそれくらいのレベルの割合だということです。
フィリピン留学は地域によって先生のタイプには違いがある
大まかにみれば、地域によって先生の性格や人間性などに違いがあるのは確かです。
ただし、これらは完全に私の独断と偏見ですので、あくまで参考程度にどうぞ。
フィリピン留学でバギオ出身の先生
私はバギオからセブに来た先生としか働いた事がありませんし、バギオで働いたことはありません。
バギオ出身の先生ともそれほどたくさん一緒に働いた経験がある訳ではないですが、一番真面目なのはバギオの先生で間違い無いと思います。
バギオの先生はセブの先生に比べて大人しい人が多いのもありますが、何も言わなくても勤怠が良い人ばかりで一緒に働いていてとても楽でした。
ちなみに、マニラ出身やセブ出身ではなく、フィリピン人の場合は地元を離れて働いている人の方が良く働く傾向にあります。
フィリピン留学でマニラ出身の先生
フィリピンで最大の都会というだけあってマニラ圏の先生は良く言えばクール、悪意を持って言えばセブの先生よりも少し冷たい傾向にあります。
特にマニラにはフィリピンの最高学部を出たような先生も少くないので、プライドが高く、学歴の差別意識も高いですね。
ただ、冷たいと言ってもたくさんのフィリピン人と関わって一緒に働いてきた私の個人の感想です。
留学生としてフィリピンで生活する普通の日本人からすると、フィリピン人は誰でも陽気でホスピタリティに溢れている楽しい人達で間違いありません。
フィリピン留学でセブ出身の先生
フィリピン留学でセブの先生というとゲンキンでワイルドです。
ノリが良くて本能のまま陽気に生きているというフィリピン人の性質を一番良く表しているのではないでしょうか。
セブの先生というよりもセブの人達がそういう感じで、特にセブシティで育った人はそういう傾向が強くて面白いです。
私の感覚的には、相当意識してマネージメントしないとすぐに手を抜いてしまう傾向にあります。
単純に学校のマネージメントが出来ていないためにセブの先生は質が低いと言われる原因かも知れませんね。
ちなみにセブでもフィリピン人同士の学歴差別はそこそこ激しいです。
フィリピン留学は地域によって英語力に差はある?
フィリピン留学では地域によって先生の英語力に差があるかどうかですが、やはり地域によって英語力に差があるのは間違い無いでしょう。
・メトロ・マニラから近郊を含めれば人口2300万人を越えるマニラ
・セブ市内と近郊を合わせたメトロセブ全体で人口が300万人のセブ
・小さな街で人口30万人程のバギオ
この3つの地域を比較しただけでも、人材の豊富さと地力が違います。
さらに、フィリピンの最高レベルに位置する大学がマニラに揃っていることも大きな理由ですね。
セブで2番目の都市と言われるセブやあくまで田舎のバギオと比べれば大都会のマニラの先生の方が英語力の地力は高く、カッコ良い英語を使う先生も多いです。
ちなみに、フィリピンで一番の大学は通称UPと呼ばれる「University of the Philippines Diliman」で常に国内ランキングTOPです。
TOPから9位までは全てマニラ圏にある大学で、セブで一番の「University of San Carlos」は国内ランキング10位です。
国内ランキング15位にはバギオの「Saint Louis University」が入りますね。
国内ランキングTOP30までの間にメトロマニラ圏の大学が18校、セブが1校、バギオが1校ですので、マニラ圏には有能な人材が集まりやすいということもあり、英語力の地力の差はこの辺りから来ていると言って過言ではないと思います。
ちなみに世界ランキングではフィリピンの大学1位は世界の500番~600番に位置していて、セブやバギオの大学はランキング1,000番以内に入っていません。
日本は東大が42位、京大が65位になっていますね。
フィリピン留学の先生の質は地域に関係ない
はっきりといって、たとえ学園都市と呼ばれるような地域で英語のレベルが高く頭の良い先生を集めたからと言って、その学校の授業が良いのかと言われればそれはまったく別の話しです。
これも極当たり前のことですが、先生に必要な要素は「英語力」よりも「人間性」の方が断然大事です。
英語力やティーチング力は、雇用段階で多少低くても資質さえあればいくらでもトレーニングで磨くことができます。
しかし「勤怠が悪い」「融通が利かない」「気が利かない」「素直じゃない」「少し嫌な事があるとすぐに感情を表に出してイライラする」など人間性や性格に関することは、トレーニングで変えることが出来ません。
どれだけ優秀でも先生としての資質が不足していれば先生として採用できません。
先生歴が長いからと優先して雇用することもしたことがありませんし、どちらかと言えば先生の歴が長いほど雇用の際は警戒していました。
なぜかと言えば、そういった講師歴の先生ほど学校から放置されて、自分の好きなように授業を行ってきている場合が多いからです。
この場合、無駄にプライドが高く、自分の意見を譲らないので運営サイドとしても、留学生からしても扱いにくい人が多く見受けられますね。
例えば、生徒さんに聞いたこんな話があります。
それなりに人気がある有名な学校で、その学校でも超優秀と言われる先生からグループクラスを受けていました。
授業中にその生徒さんが先生の明らかな間違いに気付いたので先生に一言いました。
このように言われて終わってしまったそうです。
完全な間違いだったと他の生徒さんも気付いた人がいましたが、誰だって間違いはあるし、このまま行くともめそうなので黙ってしまったとのことです。
これは先生だけが悪いのではなく、基本的には学校の責任です。
典型的なことですが、辞められたら困る先生を放置して甘やかしてしまっているために起きたトラブルですね。
こういうことは、あの先生なら任せて大丈夫という信頼した放置状態から生まれるので、学校内にアンタッチャブルを作ってはダメだということです。
学校の先生を全て優秀な先生でまとめることはまず無理
私の経験からしても優秀な先生だけを集めて良い学校にするということは、まず無理に近いものがあります。
実際には出来ている学校もあるのですが、どうしても出来ないのです。
なぜなら、多くの留学生がその学校の先生しか知らないからです。
どういうことかと言えば、東大生が全員同じレベルで優秀かと言えばそうではなく、その優秀なレベルでも優劣がつくのは当たり前のことです。
それと同じで、留学生はその学校内しか知らないので、先生の比較をすれば必ず差が出るのです。
本当は他校と比較すれば全員が良いと言われるレベルの先生だったとしても、いろんな学校でたくさんの先生からの授業を経験していなければその違いに気づけないということですね。
それが、優秀な先生だけでまとめることが無理な一つの理由です。
言ってしまえば、例え10校経験していた人が居たとしても、その学校の本当の評価はできません。
その理由は留学した学校のすべての先生から授業を受けていないからです。
学校の良し悪しは地域ではなくカリキュラムと教授法
例え優秀で人間性の良い先生がいても、質の高い授業を提供していなければ意味がありません。
そこそこ能力の高い先生を集めるだけで「授業は先生任せでフリートークばかり」なんてことも普通にあります。
むしろ、今でもフリートークというその時に楽しいだけの授業は10年前と変わらずにフィリピン留学に蔓延したままです。
では、どういう授業が良いかと言えば、それぞれのカリキュラムに専門性の高い授業であることに越したことはありませんが、初心者の方が多いフィリピン留学では、特殊な授業をしていることにこだわる必要もありません。
簡単に言えば、教材を使うのであればその教材を使った教え方が、先生全員に統一されているかどうかということが大事なポイントです。
教え方を統一していない学校では、同じ教材を使っていても先生によって教え方が違うということは良くあり、それがクレームの元凶でもあります。
フィリピン留学は地域に関わらずオーダーメイド制には要注意
フィリピン留学の地域に関わらず最近良くあるのですが、学校によっては完全カスタマイズ制にしている場合があります。
要は、生徒さんの要望に合わせて好きなように授業が出来るということを売りにしているパターンですね。
しかし、レベルの高い先生だからと言って、授業内容から授業方法まで先生の力量で自由にさせてしまっては授業の質も知れてしまいます。
こういった先生に任せた授業内容だと、毎回行き当たりばったりになることが圧倒的に多いです。
さらに、ネットで拾ってきたような教材ばかり使って授業に統一性がありません。
もちろん、そのようなスタイルでも1年~2年学校を運営している内に集まったデータを元に、コースを作ることも可能です。
しかし、新しい生徒が来る度に授業内容を変えていては教える先生のその教材に関する習熟度が低いので、結局フリートークのような授業で終わってしまいます。
どのような授業でも教材でも、徹底して同じ授業を行って先生の習熟度が上がるからこそ、その土台になる授業や教材を元にカスタマイズできるようになります。
オーダーメイドで毎回行き当たりばったりではせっかくの良い先生も宝の持ち腐れになりますね。
言ってしまえば、先生は全て質の良い優秀な先生である必要は無いと言えます。
しっかりとしたカリキュラムと教授法を持っている学校の場合は、先生としての資質のある普通の先生であれば十分です。
カリキュラムと教授法があれば、ノウハウとテクニックをトレーニングで教え込むことで普通の先生を良い先生にすることも可能です。
そういった教授法を持っているかどうかも学校選びの決め手の一つにもなりますね。
フィリピン留学は地域によって治安の差はあるの?
良くマニラは非常に危なくて、セブも危険、バギオは田舎なので安全というような話がありますが、どこでも常識を守っていれば大差はありません。
もちろん、人口比率が圧倒的に違いますので、軽犯罪から重犯罪をまとめればマニラ<<<<セブ<<<<バギオには間違い無いでしょう。
ただ、日本でも毎日事件が起きているように、セブでもバギオでも事件が起きる時は起きますね。
フィリピン留学は地域で差がある?・まとめ
どう読み返しても、フィリピン留学の先生の質は低くて当たり前と書いてるような内容ですが、しっかりと運営している良質な学校もあることは間違いありません。
フィリピンがこれから英語を習得したい方に最適な留学先であることは本当ですし、紹介するに値しない学校があることも残念ながら事実です。
フィリピン留学業界を知っている人の意見で「今後セブに乱立した学校の中から質の悪い偽物が潰れて淘汰されて行くことでしょう」というような意見を聞きますが、私はそんなことは無いと思います。
何故かと言えば、ビジネス本位の偽物の学校の方が資金力があり、マーケティングが上手で集客力があるからです。
ホームページを綺麗に作る。
もっともらしいことを言って気持ちを煽る。
サクラを雇って口コミサイトに大量に投稿する。
たくさんのブロガーにステマ記事を書いてもらう。
これらのことをするだけで、素人であれば誰にも気づかれない人気の学校の出来上がりです。
そういったやり方は本当にたくさんあって、上手にマーケティングしているので感心する程です。
留学は基本的に1回限りの売り切りビジネスですので、1回目で集客さえできれば内容は嘘でもホントでも関係ありませんからね。
どれだけ真面目に全力で運営していても、集客力が無ければ先に消えていくのはマーケティングに長けていない学校からです。
韓国系の場合はエージェント頼りなので、エージェントがコケたら潰れるという流れもありますけどね。
と、好き放題書いたような感じですが、まとめとしてはこうなります。
ということが、言いたかった訳ですね。
少くても、私のところへご相談頂いた方には良い留学生活を送って頂きたいなと思いますので、いつでもご相談下さい。